勉強のご褒美をゲームの時間に。何分足すかは3日数えてから決める
/ ビーズニーズ株式会社
宿題が終わったらゲーム、という順番にしてみようと決めたところで、次に止まるのが、何分にするかです。10分では少ないと言われそうですし、30分にすると平日は寝る時間に響きます。他の家庭の決め方を探しても、10分足す例もあれば、平日は30分・休日は2時間という例もあって、どれが自分の家に合うのかまでは書かれていません。
何分にするかから決めようとすると、そこで止まります。順番を入れ替えて、いま何分遊んでいるかを数えてから、足す分を決めると決まります。足した10分が子どもに届くかどうかは、元が何分かで変わるからです。
ご褒美の時間は、いま遊んでいる時間を数えてから決める
足す分を決める前に、3日ぶんだけ、実際にゲームをしている時間を書き出します。平日を2日、休日を1日でも構いません。元が何分かが分かると、足す分が多いのか少ないのかが見えてきます。
数える価値があるのは、画面に向かっている時間そのものが、思っているより長いことがあるからです。こども家庭庁が2025年に公表した令和6年度の「青少年のインターネット利用環境実態調査」では、小学生(10歳以上)962人の平日1日あたりの利用時間は、平均223.9分、およそ3時間44分でした。3時間以上と答えた子が55.2%います。
ただし、これは7つの機器を合算した数字なので、ゲームだけでなく動画も勉強も含みます。何に使っているかを聞いた結果では「ゲームをする」が86.6%で、「動画を見る」の89.7%に次いで多いのですが、そのうちゲームが何分かまでは、この調査からは分かりません。ゲームの分は、自分の家で数えることになります。
つまり223.9分は、足す分を決めるときの分母にはなりません。分かるのは桁の見当だけです。画面に向かう時間の合計が3時間台の家なら、そこへ10分を足しても合計では4.5%ほどにしかなりません。ただ、その10分が子どもに届くかどうかを決めるのは、合計のほうではなく、いまゲームに使っている時間のほうです。
だからまず、自分の家のゲームの時間を数えます。3日ぶんあれば見当がつきます。書き出してみて元が20分だったなら、足す10分は大きな追加ですし、元が2時間だったなら、10分ではおそらく届きません。
足した分は、元の時間と別のところに置く
数えた元の時間はそのままにして、ご褒美の分はその外側に置きます。「いつもは30分、宿題が終わった日はプラス10分」という形です。いつもの時間のほうを40分に引き上げないでおくと、次の日の出発点が30分のまま残ります。
分けておきたいのは、時間で渡すご褒美がその日のうちに使い切られるからです。翌日はまたゼロから始まり、手もとに残るのは「昨日は何分だった」という記憶だけになります。前の日に40分遊べた子にとっては、その40分が「いつも」の位置に移りやすく、翌日に30分と言うと減らされた話になります。元と足した分を分けて数えておけば、いつもがどこかを毎日言い直さずに済みます。
寝る時間に食い込むのが心配なら、足す分を「何分」ではなく「何時まで」で決めておく手もあります。プラス10分ではなく「宿題が終わった日は20時30分まで」にしておくと、始まりが遅れた日には足した分のほうが自然に短くなり、寝る時間の側は動きません。
分けて数えても、時間で渡すかぎり、受け取ったぶんはその日のうちに消えます。翌日はまた、その日の分の話から始まります。ゴホウビーストは、渡すものを時間ではなくコインにしたアプリです。宿題やお手伝いごとにコインの数を先に決めておくと、終わったときに親が押すのは「できたね」だけで済みます。たまったコインで子どもがガチャを引くので、その日に受け取ったぶんは遊び終わっても手もとに残ります。コインは現金では買えず、増えるのは保護者が承認したときだけです。
ゲームの時間で渡すことをやめる必要はありません。分けて数えるところだけ先に決めておけば、どちらの形でも次の日に同じ話をしなくてすみます。
平日と休日で変えるなら、動かすのは足す分だけ
平日と休日で時間を変えるなら、動かすのは足す分だけにします。いつもの30分は平日も休日も30分のままにしておいて、休日は足す分を20分にしておきます。
両方を動かすと、休日の時間のほうが基準になります。金曜の夜にいつもの時間ごと90分へ上げると、次の月曜に30分へ戻すのは、子どもから見れば60分減らされたことになります。そこから毎週、減らす側と減らされる側の話になり、ご褒美として始めたはずのものが週末ごとの交渉ごとに変わります。足す分だけを動かすなら、戻すのは足した分だけです。
夏休みのように毎日が休日になる時期は、いつもの時間そのものを一度決め直したほうが早いこともあります。そのときは、決め直した日に子どもと声に出して確認しておくと、休みが明けたあとに元へ戻しやすくなります。
守らなかった日は、取り上げる前に子どもに約束を言ってもらう
約束の時間を過ぎたとき、先に確かめられるのは、子どもが同じ約束を言えるかどうかです。子どもの口から同じ時間が出てくれば、約束は伝わっていたということで、そのうえで守れなかった日になります。ちがう時間が返ってくることもあります。そのときは、決めたつもりの約束が親の側にしか残っていなかったことになります。
同じ令和6年度の調査は、家庭にインターネット利用のルールがあるかを、子ども本人と保護者の両方に聞いています。小学生(10歳以上)では、保護者の89.9%が「決めている」と答えたのに対し、子ども本人は82.1%でした。差は7.8ポイントです。中学生では9.1ポイント、高校生では14.5ポイントと、学年が上の層ほど大きくなっています。
これは学年のちがう別々の子と保護者を並べた数字で、同じ家庭を追いかけた記録ではありません。それでも、決めた側と決められた側で話がそろっていないことが、小学生の時点ですでに起きているとは言えます。だから、時間を過ぎた日にまず聞くのは「今日は何分って決めてたっけ」のほうです。
そのうえで減らすと決めたなら、戻すのは足した分からにします。いつもの30分まで削ると、話がご褒美から罰に変わります。足した分だけを戻すなら、いつもの時間は動きません。
ここまでの3つをまとめます。いま何分かを数える、足す分を別に置く、動かすときも足した分だけを動かす。何分がいいかに正解はありませんが、この3つが決まっていれば、あとは何分にしても、次の日にまた一から決め直すことにはなりません。
この記事のまとめ
勉強のご褒美にするゲームの時間は、何分がいいですか
決まった目安はありません。先に、いま何分ゲームをしているかを3日ほど数えて、そこに足す分を決める形になります。こども家庭庁が2025年に公表した令和6年度の調査では、小学生(10歳以上)の平日1日のネット利用は、動画や勉強も含めて平均223.9分でした。ただしゲームの分が何分かまでは分からないので、足す10分が大きいか小さいかは、自分の家で数えた時間と比べて決めることになります。
ゲームの時間をご褒美にしてもいいのですか
渡すもの自体に良し悪しはありません。ただ、時間は使うと残らないので、翌日はまた同じところから始まります。集めて残るものを渡す形なら、受け取ったぶんはその日で消えません。ゲームの時間で始めて、続かなくなったら渡すものを替える、という進め方もあります。
約束の時間を守らなかったら、取り上げたほうがいいですか
取り上げる前に、子どもが同じ約束を言えるかを確かめる手があります。こども家庭庁の令和6年度の調査では、小学生(10歳以上)で家庭にルールが「ある」と答えた割合が、保護者89.9%に対して子ども本人は82.1%と、7.8ポイント離れていました。減らすと決めたときも、戻すのはいつもの時間ではなく足した分からです。