勉強のごほうび、何がいい?小学生に続くのはシールと「できたね」
/ ビーズニーズ株式会社
宿題が終わったとき、何を渡すかで迷う。お菓子だと毎回になり、おもちゃは金額が上がっていく。かといって何もないと、子どもも張り合いがありません。
先にお伝えすると、研究で結果が変わったのは、渡すものの種類だけではありませんでした。何に対して渡すか、先に約束するかどうかでも変わります。
勉強のごほうびに何を渡すか。続けやすいのはシールと「できたね」
続けやすさで選ぶなら、シール・スタンプ・花まると、「できたね」のひとことです。どちらもその場で渡せて、金額が上がりません。選ぶ基準は「エスカレートしにくいか」と「すぐ渡せるか」の2つになります。
「気をつけたいもの」は、ダメというより戻れなくなるのが理由です。一度上げた基準を下げるのは、大人でもつらいところです。
ごほうびは、渡すものより「何に対して渡すか」で変わる
同じシールでも、何に対して渡すかで結果が変わります。研究で分かれ目になったのは3つでした。
もともと好きなことには、先に約束しない。 園児のお絵かきの実験(Lepper, Greene & Nisbett、1973年)では、絵を描くのが好きな子に「上手に描けたら賞をあげる」と先に約束したグループだけ、あとで自分から描く時間が減りました。あとから渡したグループは減っていません。
前提は、もともと本人が好きでやっていたことです。読書やお絵かきのように放っておいてもやることに条件をつけると、やらされるものに変わります。宿題やお手伝いのように進んでやるわけではないことなら、「これをやったら○○」と先に決めるほうが、やることと見返りがはっきりしてお互い楽になります。働いたぶんの対価に近い形です。
点数ではなく、やったことに。 アメリカの学校の大きな実験(Fryer、2011年)では、テストの点数にお金を払っても成績は変わりませんでした。「本を読む」という行動に払った地域では、英語を話す子の読解力に改善が見られています。点数だけ言われても、今日なにをすればいいのかが分からないためだと考えられています。
言葉をいっしょに添える。 128件の研究をまとめた分析(Deci, Koestner & Ryan、1999年)では、肯定的な言葉は動機を下げず、むしろ上げる方向でした。シールを貼りながら「今日もちゃんと座れたね」と言えるなら、シールはその言葉を目に見える形にしたものになります。
なお、ごほうびの影響がどこまで及ぶかは研究者の間でも見解が分かれていて、「全体としては下がらない」とする分析(Cameron & Pierce、1994年)もあります。
ごほうびが続かないのは、毎回なにを渡すか考えるから
渡すものは1つか2つに固定します。ごほうびがしんどくなる理由は、たいてい中身ではなく、そのつど「今日は何にしよう」と決めることだからです。
シールを切らした、おやつが無い、先週と同じでは飽きられる。考えることが増えるほど続きません。固定しておけば「次はもっと」も起きにくくなり、こちらの負担が一気に軽くなります。
認めるだけでは動かない子もいる
ここまで「認めることが大事」と書いてきました。ただ、それだけでは動かない子もいます。「見てたよ」と言っても反応が薄い。シールを貼りはじめた最初の1週間はよかったのに、だんだん止まる。
なぜ止まるのか。貼ったあとに、何も起きないからです。 シールもスタンプも、たまったところで終わりです。台紙が埋まれば次の1枚をまた0から。埋まる前に飽きれば、そこまでになります。
私たちが作っているゴホウビーストは、集めた先に続きを置きました。おうちの方が「できたね」を押すとコインがたまり、子どもはそのコインでビーストを集めます。集めたビーストでダンジョンに挑戦できるので、集めること自体はゴールになりません。
渡すものを決めて、ひとことを添える。そのうえで集めたものに続きがあると、途中で止まりにくくなります。
この記事のまとめ
勉強のごほうびは何を渡すのがいいですか
続けやすさで選ぶなら、その場で渡せて金額の上がらないシール・スタンプ・花まるが候補です。研究では、渡すものの種類だけでなく、先に約束するかどうかや、何に対して渡すかによっても結果が変わっています。
ごほうびをあげると、勉強しなくなりませんか
勉強全般で一律には言えません。研究で自分からやる時間が減ったのは、もともと好きな活動に、物のごほうびを先に約束した場合です。影響の範囲は研究者の間でも見解が分かれています。宿題のように進んでやるわけではないことなら、やることとごほうびを先に決める形が合うこともあります。
テストの点数に現金のごほうびを出すと、成績は上がりますか
米国の大規模な実験では、テストの点数や成績に現金を払っても学力への効果は確認されませんでした。「本を読む」という行動に払った地域では、英語を話す子の読解力に改善が出ています。点数より、本人がその日に実行できる行動に結びつけるほうが研究には沿っています。