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ご褒美シールの効果と、効かなくなったときの手当て

/ ビーズニーズ株式会社

宿題が終わったらシールを1枚。始めたころは、貼るたびに子どもが得意げでした。それが何週間か経つと、「もう1枚?」くらいの反応になって、貼り忘れる日も出てきます。やめたほうがいいのか、もっと良いごほうびに変えるべきか、決められないまま今日も台紙を出している。そんなときの話です。

先に言ってしまうと、シールは勉強を始めるきっかけには効きます。効き目が薄れるのは決まった場面で、そのとき変えるのは「別のごほうびに替えること」ではなく、「できたねが、続く形で残るか」のほうです。

ご褒美シールが効くのは、勉強を始める最初のひと押し

シールが効くのは、勉強そのものがまだ楽しくない段階で、「できた」を目に見える形にして手ごたえを渡すからです。宿題は、放っておいて自分から進む種類のものではありません。その一歩めを踏み出す理由に、貼れば増えていくシールがなります。

ごほうびで子どものやる気が下がる、という話を読んだことがあるかもしれません。128件の実験をまとめた分析があります(Deci ら、1999年)。たしかにごほうびは内発的なやる気を下げていて、その下がり方は大学生より子どもで大きく出ました。ただ、この分析が対象にしていたのは、もともと子どもが好きでやっている活動です。

宿題やお手伝いのように、放っておいてもやらないことは、そこに当てはまりません。低い興味の課題では、ごほうびはやる気を下げず、むしろ始めるきっかけになったという報告もあります(Cameron ら、2001年)。そこで効いていたのは「賄賂」ではなく、できたという手ごたえのほうでした。シールの仕事は、その手ごたえを目に見える形にすることです。

もともと好きでやる遊びだとごほうびでやる気が下がることがあるが、進んではやらない宿題やお手伝いだと下がらず、やり始めるきっかけになる。Deci ら1999とCameron ら2001のメタ分析より。

だから、いま反応が薄いからといって、シールが間違いだったわけではありません。効き目には薄れる場面があって、そこを見分けるほうが役に立ちます。

シールの効き目が薄れるのは、だいたい3つの場面

効かなくなるのは、たいてい次の3つのどれかです。ひとつめは同じ台紙に慣れたとき、ふたつめは台紙が埋まって次が無いとき、みっつめは勉強そのものが少し面白くなってきたとき。どれもシールが悪いわけではなく、役割がひとつ済んだ合図です。場面ごとに手当てが変わります。

ひとつめは、慣れです。同じ枚数、同じ台紙を続けていると、シール1枚の手ごたえが薄れていきます。行動を後押しするごほうびは、進み具合が目に見えることで効くので、目新しさが消えると効き目も落ちます。手当ては、貼る中身を変えるか、たまったときのお楽しみを新しくするか、あるいは習慣がついてきたなら少しずつ回数を減らすことです。

ふたつめは、埋まって終わる場面です。台紙は満杯になると、そこで一区切りついて途切れます。次の台紙を出すまでのあいだに、貼る理由がなくなります。手当ては、埋まったあとに続きが見える形をあらかじめ用意しておくことです。ここは次の節でくわしく書きます。

みっつめは、勉強そのものが面白くなってきた場面です。ここでだけは、ごほうびが逆に邪魔になることがあります。もともと興味が出てきた活動にごほうびを重ねると、やる気が下がりやすいのは先ほどの分析のとおりで、これは子どもで強く出ます。手当ては、渡すものを増やすのではなく、「できたね」と声をかけるほうに寄せて、シールは自然に減らしていくことです。

変えるのは渡すものではなく、できたねが続く形で残るか

迷ったとき変えるのは、シールを別のごほうびに替えることではありません。シールも、スタンプも、カレンダーに丸を書き込むのも、共通しているのは「認めたことが形に残る」ことです。渡すものを豪華にしていくと金額が上がっていくだけで、残る手ごたえは変わりません。見るところは、認めたことが続く形で残るかどうかです。

その目で見ると、シール台紙の弱点は「埋まったら終わる」ことだと分かります。集めてきたものが、一区切りでいったんゼロに戻ります。ゴホウビーストは、この「できたね」を押すとコインがたまるアプリです。やることごとに何コインかを先に決めておき、終わったらおうちの方が押すだけ。たまったコインで子どもがビーストを引き、集めたビーストでダンジョンに挑戦できるので、集めることがゴールになりません。コインは現金では買えず、増えるのは親が認めたぶんだけです。

シールを卒業する必要はありません。今日の夜、台紙を出すときに見るのは、シールがいま3つの場面のどこにいるかです。まだ最初のひと押しとして効いているなら、そのまま続けて大丈夫。慣れてきたなら中身を変える、埋まりそうなら次に続く形を用意する。替えるか続けるかは、その一点で決められます。

この記事のまとめ

勉強のごほうびに、シールは効果がありますか

進んではやらない宿題やお手伝いでは、シールのように「できた」を目に見える形にするごほうびが、やり始めるきっかけになります。128件の実験をまとめた分析(Deci ら、1999年)で「やる気が下がる」とされたのは、もともと興味のある活動での話でした。宿題のように進んではやらない課題では、ごほうびはやる気を下げないという報告があります(Cameron ら、2001年)。

シールで釣ると、勉強が嫌いになりませんか

ごほうびでやる気が下がりやすいのは、もともと子どもが好きでやっている活動のときで、これは子どもで強く出ます(Deci ら、1999年)。宿題のように進んではやらないことには当てはまりにくく、もし勉強そのものが楽しくなってきたら、その時にごほうびを少しずつ減らせば大丈夫です。

ご褒美シールは、いつまで効きますか

決まった期限はありません。同じ台紙に慣れる、埋まって次が無い、勉強自体が面白くなる。このどれかが来たら、貼る中身を変えるか、集めることが続く形に移すか、少しずつ減らすかの合図です。