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ご褒美制度が続かない。減らすのは渡すものではなく項目の数

/ ビーズニーズ株式会社

宿題が終わったらシールを1枚、お風呂そうじで2枚。そう決めて表を貼ったのが2か月前で、いまその表は直近2週間ぶんが空白のまま止まっています。

子どもが「もういらない」と言い出したわけではありません。止まったのは大人の側で、毎晩、今日はどれが済んだかを思い出して、何枚渡すかを決めて、表に書き込む。この一連が思っていたより重かった、というだけです。

続かなくなったときに変えるのは、渡すものではありません。減らすのは、毎日決める回数のほうです。表の項目を減らせば、仕組みはそのままで動きはじめます。

ご褒美制度が続かないのは、決めることが毎日あるから

ご褒美制度が止まる原因は、子どもの側だけにあるとは限りません。項目が5つ並んだ表は、1日に5回、済んだかどうかを見て何枚渡すかを決める作業になります。渡すものをシールからお菓子に変えても、この回数は1つも減りません。

2026年8月に、家庭向けにごほうび表やポイント制のやりかたを説明している手引きを9件読んで、「続かない原因」に何を挙げているかを数えました。子どもの側の理由だけを挙げていたのが5件、原因そのものに触れていなかったのが2件。大人の側の手間を挙げていたのは2件です。挙がっていたのは、記録や管理そのものが煩雑になっていくことと、子どもはできているのに渡すほうが忘れてしまうことの2つでした。

手引きを読んで自分の家を診断すると、答えは「子どもが飽きた」か「目標が高すぎた」のほうに寄ります。読んだ9件でも、親が疲れて止まっている場合の説明はほとんど出てきませんでした。うちの子が飽きたのだと結論を急ぐ前に、数えてみる価値があるのは決める回数のほうです。

減らすのは、ご褒美の種類ではなく表の項目

表に並んだ項目を減らすと、1週間に決める回数がそのまま減ります。項目5つなら週35回、2つなら週14回です。これは調査ではなく、項目の数に7日を掛けただけの数です。

表の項目を5つから2つに減らすと、済んだかを見て渡す枚数を決める回数が1週間に35回から14回になる

読んだ9件のうち、対象にする行動を絞れと書いていたのは3件でした。「最初からいっぺんにたくさんの約束をしないこと」「一度に多くの行動を設定せず」といった書きかたで、数まで書いていたのは1件だけです。そこには「一つか二つにしぼりましょう」とありました。残る6件は、行動をいくつにするかに触れていません。

つまり、作るときに「何個までにするか」を教えてくれるものが、手引きの側にほとんど無いということです。思いついた家事と宿題が並んでいくのは自然な流れで、表が長くなったのは決めかたが甘かったからではありません。

残す項目を選ぶときの目安は2つあります。毎日きまって起きることと、子どもが自分で「終わった」と言えることです。歯みがきや音読は、やったかどうかを探しに行かなくて済みます。

この2つを外れる項目は、渡すたびに大人が判断を足しています。テストの点、部屋の片づき具合、宿題の丁寧さ。こうした項目は渡す枚数がその日の様子で変わるので、毎回そこで考えることになります。

減らすときは、黙って消すより「これは表からいったん外して、こっちの2つだけにしよう」と子どもに言ってしまうほうが早いです。外した項目は、消さずに別の紙に書き留めておく手もあります。そのまま見せられるので、いつ戻すかもその場で決められます。

何ポイントで交換するかに、正しい数はない

交換までの枚数に、共通の目安はありません。読んだ9件のうち数字を書いていたのは5件で、2枚・3枚・5枚・10枚・10〜15個とばらけていました。段階的に増やすと書いているものもあり、固定値ですらありません。

ですから、「うちは何枚が正しいのか」を調べても答えは出てきません。そして探しているあいだ、決めごとが1つ増えたままになります。

効くのは数そのものより、決めたあと動かさないことのほうです。途中で「今日は特別に3枚」をやると、次の日から「今日は特別か、そうでないか」の判断が毎回戻ってきます。せっかく減らした決める回数が、そこから増えていきます。

先に決めて動かさない形にしておけば、その日ごとに相談する材料が減ります。枚数を子どもと一緒に決めておくと、あとから動かしにくくなります。それが、毎日の相談を減らしてくれます。

ただ、数を先に決めても、渡す側が毎日そこにいられるとは限りません。

渡し忘れた日は、あとから埋められる形にしておく

渡し忘れた日を空白のまま残すと、表そのものが止まります。あとからまとめて埋められる形にしておくと、1日抜けても再開できます。読んだ手引きにも、子どもはできているのに渡すほうが忘れてしまうことを、大人の側の問題として挙げているものがありました。忘れることは、起きるものとして書かれています。

渡すのは終わった直後がいちばん伝わります。ただ、逃してしまった日の選択肢は「直後に渡す」と「あとで渡す」ではなく、「あとで渡す」と「なかったことにする」のほうです。

表に日付の欄を作って、週末に子どもと2人で埋める短い時間を取る、という方法があります。忘れた日の話をするのではなく、済んだ日を数えるだけです。数え終わったら、そのぶんをまとめて渡します。

それでも空白が続くようなら、項目の数がまだ多いという合図です。

表を貼った日にやったのは、子どもが動く仕組みを用意することでした。続けるためにやるのは、その仕組みを自分が毎日回せる大きさまで削ることです。今夜のうちにできるのは、残す2つを選んで、あとの行に線を引くところまでです。

この記事のまとめ

ご褒美制度が続かないのは、子どもが飽きたからですか

子どもの反応が薄れることもありますが、それだけとは限りません。2026年8月に家庭向けの手引き9件を読んで数えたところ、続かない原因に大人の側の手間(管理が煩雑になること、渡し忘れ)を挙げていたのは2件で、5件は子どもの側の理由しか挙げていませんでした。表の項目が多いほど、大人が毎日決める回数は増えます。

ご褒美の表は、項目をいくつにすればいいですか

共通の目安はありません。2026年8月に読んだ手引き9件のうち、対象にする行動を絞れと書いていたのは3件で、数まで書いていたのは1件(「一つか二つ」)でした。項目5つの表は1週間に35回、2つなら14回、済んだかどうかを見て渡す枚数を決めることになります(項目の数×7日で計算した回数です)。

何ポイントたまったら交換するのが正しいですか

正しい数はありません。2026年8月に読んだ手引き9件のうち交換までの枚数を書いていたのは5件で、2枚・3枚・5枚・10枚・10〜15個とばらついており、段階的に増やすと書いているものもありました。数そのものより、先に決めてあとから動かさないほうが、その日ごとの決めごとが増えません。