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お小遣いの前借りをせがまれたら。断る前に決めておく3つ

/ ビーズニーズ株式会社

ポイント表を作り、1回いくらかも決めた。しばらく回ったところで、貯まる前に「来月のぶんから引いていいから、今ちょうだい」と言われます。断れば機嫌が悪くなり、渡せば決めごとのほうが崩れる。どちらを選んでも後味が悪く、しかも来月また同じ場面が来ます。

ここで決めるのは、貸すか断るかではありません。断るなら、そのかわりに子どもが自分でこなせるお手伝いを用意しておく。先に決めておくのは、そちらのほうです。用意してあれば、断るときに「今は渡せない」の先まで言えます。

おこづかいをもらう子の半分近くが、足りなくなっている

前借りを頼まれるのは、決めごとが甘かったからではありません。金融広報中央委員会が2015年度に行った「子どものくらしとお金に関する調査」では、おこづかいをもらっている小学5・6年生のうち、足りなくなることが「よくある」9.9%、「ときどきある」38.5%で、合わせて48.4%でした。「ない」は43.0%です。

小学1・2年生では42.9%、小学3・4年生では43.9%。おこづかいを渡していれば、4割から5割の子が足りなくなる場面を通ります。足りなくなれば、その先で親に言ってくる子も出ます。頼まれること自体をなくすのは難しい、と考えたほうが早そうです。

止められないなら、決めておくのは返しかたのほうです。その日の気分で判断していると、渡す日と断る日が混ざり、子どもから見れば「言ってみる価値がある」状態が続きます。

足りなくなった子の6割は、買うのをがまんしている

同じ調査で、足りなくなったときにどうすることが多いかを聞いています。小学5・6年生でいちばん多い答えは「買いたいものを、がまんする」で62.0%。残りは3つに割れました。

おこづかいが足りなくなったときにすることは、小学5・6年生でがまんする62.0%、お手伝いでもらう17.6%、その他10.2%、言えばもらえる9.8%

目を引くのは「言えばもらえる」の9.8%です。この設問は「どうすることが多いですか」を1つだけ選ぶ形なので、足りなくなったときにまず親に言う、という子は10人に1人ということになります。残りの9割は、頼む前に別の道を選んでいます。

そのうえで見たいのが、がまんの隣にある17.6%です。足りないぶんを、お手伝いをして自分で埋めている子が2割弱いる。学年ごとに別の子に聞いた数字ですが、小学1・2年生24.2%、小学3・4年生22.1%と、どの学年でも2割前後がこの道を通っています。

この道は、子どもの側からは作れません。何をやればいくらもらえるのかを決めるのは親のほうなので、家が用意していなければ、残るのはがまんか交渉のどちらかになります。

前借りを断るなら、追加でできるお手伝いと金額を先に決める

用意する道は1つでいいのですが、決めることは3つあります。追加のお手伝いにするものは何か、1回いくらか、1日にいくつまで受けるか。この3つが先に決まっていれば、頼まれたその場で金額の交渉をしなくて済みます。

1つめの、何を追加のお手伝いにするか。ここはふだんの分担とは別に立てます。毎日の当番をそのまま追加のリストに入れると、どこからが追加なのかが日によって変わり、上限を決めた意味がなくなります。窓を拭く、玄関の靴を全部そろえる、古紙をまとめて出す。月に何回かしか出てこない仕事のほうが向いています。

2つめの金額は、定額のおこづかいとは別に数えておきます。同じ財布から出していると、月末に「今月いくら渡したのか」が誰にも分からなくなります。

3つめの上限は、1日に受けるのを全部でいくつまでにするか、です。決めていないと、ほしいものが高いほど、子どもは1日に何個でもお手伝いを持ってくることになります。1日に2つまで、と決めておけば、高いものは何日かかるかという話に変わります。

この道が珍しくないことも、同じ調査の数字に出ています。「おこづかいをもらうことがあるとき」として「お手伝いをしたとき」を挙げた子は、小学1・2年生で51.0%、小学3・4年生で47.9%、小学5・6年生で40.7%でした。学年によりますが、4割から5割の子がこの道を通っています。

追加でできるお手伝いと金額

追加でできること1回いくら
  • ふだんの分担に入っていないものだけを書いた
  • 定額のおこづかいとは別に数えると決めた
  • 1日に受けるのは、全部で(  )つまでと決めた
  • 頼まれたときは、この表を見せると決めた

渡すものを現金以外にする手もあります。ゴホウビーストは、宿題やお手伝いごとにコインの数を先に決めておくアプリで、コインが増えるのはおうちの方が「できたね」を押したときです。コインは現金では買えないので、財布から出してその場をしのぐ形になりません。

それでも頼まれたら、金額ではなく「いつ入るか」を見せる

道を用意しても、頼まれる日は来ます。そのときに返すのは値段の話ではなく、いつ手に入るかの話です。表を出して、あと何をすればいくらになるか、次の定額はいつ入るかを、その場で一緒に数えます。

数えるところを親がやるのには理由があります。おこづかい帳をつけている小学5・6年生は21.8%で、つけていない子が75.0%を占めます(同じ2015年度の調査)。書き出して残高を追っている子は、5人に1人。あといくら足りないのかを子どもが言えないまま、「今ちょうだい」だけが出てきている場合があります。

足りない額と、追加で稼げる額が並ぶと、あと何日かかるかは子ども自身で出せます。そこまで出たら、その日にやるかどうかは子どもが決めることです。断る言葉を探すより、この計算を一緒にやるほうが早く終わります。

表は3行から始められます。埋めるのは、ふだんの分担に入っていないお手伝いと、その金額。次に「今ちょうだい」と言われたときに、断る言葉のかわりに見せるものが1枚あります。

この記事のまとめ

子どものお小遣いの前借りは、させてもいいですか。

家ごとに決めることで、どちらかが正しいという答えはありません。2015年度の金融広報中央委員会の調査では、足りなくなったときに「言えばもらえる」と答えた小学5・6年生は9.8%でした。まず親に言う子は、もともと多くありません。断るなら、追加でできるお手伝いと金額を先に決めておくと、その場で条件を考えずに済みます。

お小遣いが足りなくなったとき、子どもは何をしていますか。

2015年度の金融広報中央委員会の調査では、足りなくなることがある小学5・6年生の62.0%が「買いたいものを、がまんする」と答えています。次に多いのが「お手伝いをして、おこづかいをもらう」の17.6%で、「言えばもらえる」は9.8%でした。小学1・2年生と3・4年生でも、がまんが5割から6割で最も多くなっています。

追加のお手伝いは、いくらに決めればいいですか。

金額そのものより、決める順番のほうが効きます。ふだんの分担に入っていないお手伝いだけを追加のリストにして、1回あたりの金額と、1日にいくつまで受けるかを先に決めます。定額のおこづかいとは別に数えておくと、月末に渡した合計が分かります。