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お手伝いの分担表、子どもの欄は毎日やっている家事から埋める

/ ビーズニーズ株式会社

家族の家事を書き出して、分担表にしてみる。洗濯、ごみ出し、風呂そうじ、食事のしたく、部屋の掃除。大人の欄はなんとか埋まったのに、子どもの欄で手が止まる、ということがあります。

頼めそうな家事はいくつも思いつきます。ただ、これはまだ早い気がする、これは頼んでも結局やり直すことになる、と考えているうちに、子どもの欄だけ空いたまま表が止まります。

決める順番を変えると埋まります。頼みたい家事から選ぶのではなく、子どもがいま毎日やっている家事を、そのまま担当として書く。新しく頼みたい家事を足すのは、その1行が声かけなしで回りはじめてからです。

お手伝いの分担は、いまやっている家事を担当に書くところから

分担表の子どもの欄には、まず「食後に食器を流しに運ぶ」のように、すでに毎日やっていることを書きます。新しく何かを頼むのは、その1行が定着したあとにします。頻度の欄を作るなら、毎日と書けるものだけを子どもの欄に置くと、月の途中で書き直さずにすみます。

理由は2つあります。ひとつは、すでにやっている家事なら、渡すときに教える手間がかからないこと。もうひとつは、分担表の目的が「増やすこと」ではなく「誰の持ち物かを決めること」だからです。今日から手伝いが増えなくても、いままで親が声をかけていた家事が声かけなしで回れば、表を作った意味はあります。

子どもが毎日しているのは、食卓まわりの家事

小学4年から6年の児童1014人と、同じ学校の母親886人に聞いた調査があります(深谷昌志ら、2011年)。18種類の手伝いについて、毎日または週3日以上しているかを聞くと、上位と下位で開くだけでなく、親が頼みたい家事とも重なりません。

2011年の調査で、小4から小6の1014人が毎日または週3日以上している手伝いの割合。食後に食器を運ぶが81%、茶わんやはしを並べるが68%、みんなの部屋の掃除が22%、トイレ掃除が8%。母親886人が手伝ってほしい場面の1位は掃除で86%。

食後に食器を運ぶが81%、茶わんやはしを並べるが68%、ご飯をよそうが59%、テーブルを拭くが53%。いっぽう、みんなの部屋の掃除は22%、食器を洗うは21%、トイレ掃除は8%まで下がります。

食卓まわりに寄るのは、そこが1日に3回来るからでしょう。小学6年生69人が7か月間、家でした手伝いをそのつど記録した研究でも、同じ形が出ています(岡田・杉浦、2022年)。記録に出てきた手伝いは全部で50種類あり、そのうち食事に関わるものは4種類しかありません。それなのに、回数では全体の45%を占めます。掃除や洗濯まわりは23種類と種類が多いのに、回数は42%です。

つまり、毎日ある家事は種類が少なく、その少ない種類に回数が集まります。担当として渡すなら、はしや茶わんを並べる、食器を運ぶ、テーブルを拭くといった食卓まわりが、いちばん回数の出ている場所です。

親が頼みたいのは掃除。分担表がすれ違うのはここ

同じ2011年の調査では、母親に「子どもに手伝ってほしいのはどんなときか」も聞いています。1位は掃除で86%、次いで買い物73%、夕食を作るとき73%、洗濯58%、朝食を作るとき39%。フルタイムで働く母親ではこの5項目の平均が67%で、専業主婦の54%より高くなります。

親がいちばん頼みたい掃除は、子どもの実施率では下のほうにあります。みんなの部屋の掃除は18種類のうち12番目で22%、トイレ掃除は最下位の8%です。ここがすれ違ったまま表を作ると、子どもの欄に「部屋の掃除」と書いて、翌週には空欄に戻ります。

掃除を渡したいなら、範囲を切ると近づきます。同じ調査で、自分の机まわりの片づけは35%と、みんなの部屋の掃除の22%より高くなります。部屋ぜんぶではなく、自分の机、玄関のくつ、洗面台まわりのように、どこまでやれば終わりかが目で見てわかる形に切って渡す方法があります。

親の側の見通しも、この調査に出ています。何歳までにできるようにしたいかを聞くと、食器を洗うは82%、お風呂の掃除は80%の母親が「小学生のうちに」と答えています。16項目のうち14項目で、この割合が4割を超えます。急いで全部を渡さなくても、小学生のあいだに1つずつ増やしていけば間に合う見通しです。

担当の数は、いちばん忙しい月に合わせて決める

担当をいくつにするかは、余裕のある月ではなく、いちばん忙しい月で決めます。手伝いの回数は、その月の予定でかなり動くからです。

さきほどの小学6年生69人の記録では、月ごとの合計回数が4月332回、5月300回、6月134回、7月79回、8月962回、9月134回、10月219回でした。夏休みを含む8月の962回を別にしても、同じ学期の中で、4月の332回から、学芸発表会の準備が重なった7月には79回まで落ちています。時間や気持ちに余裕がない時期は、手伝いを続けること自体が難しくなります。

表を作る日はたいてい余裕のある日なので、3つも4つも書き込めます。そのあと運動会や発表会の週が来ると、書いた担当は回らなくなり、表そのものが止まります。忙しい週でも回る数はいくつかを先に決めておくと、そこから戻りやすくなります。1つだけ残す家庭もあれば、平日は1つ、休日は2つと分ける家庭もあります。

担当が決まったあとに残るのは、やったかどうかを見ることのほうです。分担表にチェック欄を作っても、書き込むのを忘れた日が続くと、そこから止まります。ゴホウビーストは、がんばりごとにコインの数を先に決めておいて、終わったら「できたね」を押す形にしてあります。押すたびにコインがたまり、子どもはそれでビーストを引けるので、親が毎回ごほうびを考えるところから始まりません。

大人の欄が母親に寄っていないかも、一緒に見る

子どもの欄と同時に、大人の欄の偏りも見ておくと、表が長持ちします。2011年の調査では、朝食を作る、トイレ掃除、洗濯、夕食を作る、部屋の掃除、風呂の掃除の6項目で、母親が担う割合が平均72%でした。1984年の調査と比べると、「全部母親がやる」は73%から43%まで下がっていて、家族で分けるほうへは動いています。

同じ調査で、手伝う子どものグループと手伝わない子どものグループを比べると、母親がほとんどの家事を担っている家庭ほど、子どもの手伝いも少ないという関係が出ています。どちらが先かまではこの比べかたでは決まりませんが、家の中で家事が1人に集まっている状態と、子どもの担当が残らない状態は、いっしょに起きています。

大人の欄が1人に寄っているなら、子どもの欄を埋める前に、大人のあいだで1つ動かすほうが早いことがあります。表は家族全員のものなので、新しい担当が増えるのが子どもの欄だけとは限りません。大人のあいだで1つ動かした行も、同じ表の中の分担です。

分担表は、書いた日がいちばん立派で、そこから減っていくものです。子どもの欄が1行でも残っていれば、その1行は家族の中で回っています。空欄が埋まらない日は、いま子どもがやっていることを1つ書き写すところから始められます。

この記事のまとめ

お手伝いの分担は何から決めればいいですか

子どもがいま毎日やっている家事を、そのまま担当として分担表に書くところから始める方法があります。2011年に小学4年から6年の児童1014人に聞いた調査では、食後に食器を運ぶを毎日または週3日以上している子が81%いました。すでに回っている家事なら、やりかたを教えるところから始めなくてすみます。

子どもに掃除を担当させてもいいですか

範囲を切って渡す方法があります。2011年の同じ調査では、自分の机まわりの片づけをしている子が35%、みんなの部屋の掃除は22%で、自分の持ち物の範囲のほうが高くなります。部屋ぜんぶではなく、自分の机や玄関のくつなど、終わりが目で見てわかる場所に切ると渡しやすくなります。

子どもの担当はいくつくらいにすればいいですか

いちばん忙しい月でも回る数にしておくと、止まっても戻りやすくなります。小学6年生69人が2014年に手伝いを記録した研究では、月ごとの回数が4月332回に対し、学芸発表会の準備が重なった7月は79回でした。学校行事が重なる月には手伝いの回数が落ちるので、余裕のある日に決めた数のままだと表が止まります。