お手伝いの金額は、1件の値段より1日の回数で決まる
/ ビーズニーズ株式会社
お手伝い表に値段を書き込もうとして、食器を運ぶのは10円、おふろそうじは50円、と並べたところで止まってしまう。この差でいいのか、そもそも1件いくらが普通なのかが分かりません。
小学生のおこづかいについては、金融広報中央委員会が全国規模の調査を行っています。ただ、そこで子どもに聞かれているのは「おこづかいを1回もらうといくらか」で、お手伝い1件がいくらかではありません。食器を運ぶのは何円が普通かを調べても、合わせにいける全国の平均にたどりつかないのは、そのためです。
先に決めておくと早いのは、1件の値段ではなく、1日に何回まで数えるかのほうです。回数が決まると月にいくらになるかが見えて、1件の値段はそこから逆に決まります。
お手伝いの金額は、1日に何回まで数えるかで決まる
1件の値段を上げても月の合計はあまり動きませんが、数える回数を倍にすると合計はそのまま倍になります。毎日のお手伝いは件数が積み上がるので、月にいくら出ていくかを決めているのは、値段よりも回数のほうです。
食器を運ぶのを1件10円にして1日2回まで数えると、30日で600円です。おふろそうじを1件50円にしても、週に1回なら月200円にとどまります。1件あたりでは5倍の差がついているのに、月の合計では安いほうが3倍多く出ていきます。
そこで、値段を書き込む前に、1日に数える上限を決めておくと後がらくになります。1日2回までと決めれば、その月にいくらまで出ていくかが先に分かります。数えるのは、表のすみに正の字を書くだけでも間に合います。上限を決めずに始めると、お手伝いが増えたぶんだけ月の合計も増えていきます。あとから値段を下げるのは、決めた側にとっていちばん言いにくい変更です。
お手伝いにお金を渡すのは、低学年ではめずらしくない
おこづかいをもらっている小学生のうち、お手伝いをしたときにもらうことがあると答えたのは、低学年で51.0%、中学年で47.9%、高学年で40.7%です(金融広報中央委員会「子どものくらしとお金に関する調査」2015年度。調査対象は小学生16,329人)。
お手伝いをしたときにお金を渡すことは、低学年ではおこづかいをもらう子の半数に起きていることになります。この割合は学年が上がるにつれて下がり、それと並行して、渡し方そのものも変わっていきます。
高学年になると、「月に1回」が「ときどき」を追い抜く
おこづかいをもらっている小学生の渡され方を見ると、低学年では「ときどき」が57.3%、「月に1回」が13.4%です。中学年で「ときどき」47.8%、「月に1回」32.1%と差が縮まり、高学年では「月に1回」が45.0%、「ときどき」が38.3%で入れ替わります(同じ調査)。
値段表は「ときどき」渡す形の一つです。学年が上がると、月に1回まとめて渡す家庭のほうが多くなっていきます。
表を作るときに、いつまでこの形でいくかを一緒に書いておく方法があります。学年が変わる時期を見直しの日にしておくと、「おふろそうじ、100円にしてよ」と言われた日に、その場で決めずに済みます。4月に考えるね、で終われます。
値段の差は、大変さよりも毎日やるかどうかでつける
差の基準を作業の大変さだけに置くと、月の合計が読めなくなります。大変なお手伝いほど回数が少なく、合計に効いているのは毎日やる簡単なほうだからです。
毎日のものを低くして回数の上限をつけ、たまにのものを高くしておくと、月の合計が計算できます。食器を運ぶ、洗濯物をたたむのように毎日出てくるものは10円で1日2回まで、おふろそうじや窓ふきのように週に1回あるかどうかのものに50円をつける、という組み方です。
大変さを見ないわけではありません。大変なものほど回数が少ないので、そこに高い値段をつけても月の合計はふくらまない、というだけです。
点数ではなく、やったことに値段をつける
おこづかいをもらっている小学生のうち、テストの点数がよかったときにもらうことがあると答えたのは、低学年18.2%、中学年19.9%、高学年17.9%で、学年を通して2割弱です(金融広報中央委員会の同じ調査)。お手伝いのときにもらう割合の半分以下にとどまります。
値段表に載せるなら、やれば終わる行動のほうが向いています。点数は、やったかどうかでは数えられません。同じだけ机に向かった月でも、届いた月は渡して届かない月は渡さないことになり、その線引きを説明するのは親のほうです。行動なら、やったか、やっていないかで決まるので、上限を決めたぶんで収まります。
10円と50円のどちらが正しいかを探すより、値段表のすみに1日2回までと書き足すほうが、来月の家計には早く効きます。
この記事のまとめ
お手伝いの金額は1件いくらにすればいいですか
金額から決めずに、1日に何回まで数えるかを先に決めると計算できます。1件10円でも1日2回を30日続ければ月600円、1件50円でも週1回なら月200円です。月に渡せる額を決めて、そこを想定の件数で割ると、1件の金額が出ます。
お手伝いの金額に相場はありますか
合わせにいける全国の数字はありません。小学生のおこづかいを調べた全国調査(金融広報中央委員会、2015年度)が子どもに聞いているのは1回にいくらもらうかまでで、お手伝い1件あたりの値段という単位では集計されていないためです。
お手伝いの金額は学年が上がったら見直しますか
高学年では渡し方そのものが変わります。2015年度の同じ調査では、おこづかいをもらっている小学生のうち「月に1回」もらう子が低学年13.4%に対し高学年45.0%、「ときどき」は低学年57.3%から高学年38.3%へ入れ替わります。表に見直す時期を書いておく方法があります。