宿題をやらない小1・小2、やる気の問題か量の問題か
/ ビーズニーズ株式会社
声をかけても宿題を始めない、という話です。「やったの」「あとで」を何度か繰り返すうちに、こちらの声がだんだん強くなる。毎日これが続くと、うちの子はやる気が無いのではないか、という考えに行き着きます。
始めない理由は、その日その子でちがいます。ただ、やる気の話にする前に確かめられるところが2つあります。その場でためせる4つと、宿題にどれくらい時間がかかっているかです。
宿題をやらない小1・小2に多い理由
先に確かめるのは、やることが見えているか、道具がすぐ使えるか、終わりが見えているか、疲れが強くないかの4つです。どれも机の前で確かめられます。
やることが見えていない日は、連絡帳を読むところから宿題が始まっています。大人が先に読んで、まず1枚だけ机に出す。連絡帳を読む手間は、大人の側で先に済ませられます。
道具も同じです。鉛筆や消しゴムを探すところから始まっていないか。座る前に、使うものを出しておく形にできます。
終わりが見えていないと、どこまでやれば終わるのか分からないまま座ることになります。渡すのは「まずこれだけ」と1枚ずつ。
疲れが強い日もあります。学校のあとに学童があって、そこからさらに机に向かう。少し休んでから、今日やる分を決める順番にもできます。
この4つは、原因を言い当てるためのものではありません。どれが理由か分からなくても、外せるところから外していく形です。
宿題に何分かかっているか、いちど計ってみる
4つを試しても始まらないなら、次に見るのは量です。今日の宿題が終わるまでに何分かかっているかを、いちど計ってみます。
量の目安として米国で使われているのが「学年 × 10分」です。小1で1日10分、小2で20分、小6で60分。これは研究結果そのものではなく、研究をもとにした推奨で、日本の学校の宿題に合わせて作られたものでもありません。
それでも、小2で宿題ぜんぶに1日1時間かかっているなら、この目安は大きく超えています。座らないのはやる気の問題ではなく、量が多いのではないか、という見かたができます。
途中で切るかどうかを決めるときの材料
今日の分が終わらない日もあります。最後までやらせるか、途中で切るか。決めるのは家庭ですが、材料が2つあります。
1つは、宿題の量と学力の関係をまとめた分析です(Cooper ら, 2006年)。1987年から2003年までの研究を統合したもので、小学生では宿題の量と学力の相関がほとんど見られませんでした。学年が上がるほど関係は強くなり、高校生では、宿題があるクラスの平均的な生徒が宿題のないクラスの69%の生徒を上回っています。
もう1つは、同じ分析が宿題の別の意義について書いていることです。宿題には、内容の定着とは別に、学習の習慣や自分で進める力を育てる意義がありうるとされています。宿題をやらなくてよい、という結論にはなりません。
今日の1枚を最後までやることと、明日また座れる形を残すこと。どちらを取るかは、この2つを見て決められます。
終えられた日を、終わったと分かる形にする
最後まで終えた日は、終わったと分かる形を残す方法があります。カレンダーに印をつける、決めた場所にプリントを置く、「終わったね」と一言。
宿題の意義とされているものの1つが、学習の習慣です。1日分の量を取り返すことより、終わった日が積み上がって見えるほうに寄せる、という考えかたができます。
今晩やることは、4つを上から確かめて、それでも始まらなければ何分かかっているかを計る。この順番を決めておくと、始まらない日にゼロから考えずに済みます。やる気の話に行き着く前に、確かめられるところが先にあります。
この記事のまとめ
宿題をやらない小1・小2に、まず何をすればいいですか
やることが見えているか、道具がすぐ使えるか、終わりが見えているか、疲れが強くないか。この4つを上から確かめます。連絡帳を大人が先に読んで1枚だけ机に出す、使う道具を座る前に出しておくなど、その場で外せるところから外していきます。
小1・小2の宿題は、何分くらいが目安ですか
米国で使われている目安は1日あたり「学年 × 10分」で、小1なら10分、小2なら20分です。研究結果そのものではなく研究をもとにした推奨で、日本向けの基準でもありません。宿題ぜんぶに1時間かかっているなら、やる気ではなく量のほうを見る材料になります。
宿題が終わらなかった日は、無理にでもやらせたほうがいいですか
最後までやらせるか途中で切るかは家庭で決めることですが、材料が2つあります。小学生では宿題の量と学力の相関がほとんど見られていません(Cooper ら, 2006年)。一方で宿題には学習の習慣を育てる意義があるとされ、やらなくてよいという結論にはなりません。