共働きの子どものお手伝い、留守のあいだに任せるものは3つで選ぶ
/ ビーズニーズ株式会社
夕方、子どもは先に家に帰っています。親が帰るのは早くても19時。お手伝いを1つ頼んではあるものの、やっている時間には家にいません。帰ってから「やったよ」と聞くだけで、そこから先は分からない。
共働きでお手伝いを回すときに詰まるのは、たいていここです。何を頼むかではなく、終わったことがどう伝わるか。先に決めるのは項目ではなく、確かめかたのほうです。順番を逆にすると、頼んだ数だけ確認の手間が増えて、先に親のほうが疲れます。
共働きのお手伝いで先に決めるのは、項目ではなく確かめかた
やる時間に親がいないなら、「やったかどうか」は親の目には入りません。だから決めるのは、帰ってから何を見れば分かるかです。ここが決まっていないと、頼んだ本人に聞くしかなくなり、その確認が毎晩のやりとりになります。
見ていない時間は、思っているより長くなっています。総務省の社会生活基本調査(2021年)で、10〜14歳が一人で過ごした時間は1日1時間58分。5年前より27分長くなっています。睡眠を除いた時間での集計です。
同じ調査で、平日の日中(8時から15時)に自宅にいた10〜14歳は1割を下回ります。学校にいる時間なので当然ですが、裏を返すと、一人で過ごす時間はその後ろ、平日の放課後に寄っていると考えられます。この数字はおおむね小4から中3にあたる年齢をまとめたもので、小学生だけを取り出したものではありません。
それでも、放課後にまとまった時間があること自体は変わりません。頼めるだけの時間はある。足りないのは、終わったことが親に届く道のほうです。
親が見ていない時間に任せるお手伝いは、3つで選ぶ
任せるものを選ぶ線は3つです。終わったことが物として残るか/火と刃物を使わないか/その子がもう習っているか。はじめの2つで候補をしぼり、3つめで頼みかたを決めます。
1つめは、終わったことが物として残るかどうか。 洗濯物をたたむ、食器を洗ってかごに伏せる、玄関の靴をそろえる、米を研いでタイマーをセットする。どれも帰ってきた親が、聞かなくても目で分かります。逆に「妹と遊ぶ」「戸締まりを確かめる」は、やってあっても跡が残りません。跡が残らないものは、親がいる時間帯に回したほうが揉めません。
2つめは、火と刃物を使わないかどうか。 野菜を切る、コンロで温める、やかんでお湯をわかす。このあたりは、親がいる時間に一緒にやるものとして分けておきます。留守のあいだの担当から外しておけば、その日ごとの判断が要らなくなります。
3つめは、その子がもう習っているかどうか。 習っていれば手順ごと、まだなら手順を削って頼むことになります。分かれ目の目安は小5です。学校で家事を扱う時期がはっきり決まっているので、次の節でその線を引きます。
学校で習うのは5年生から。小4以下は手順を1つに削る
家庭科が始まるのは小学5年生です。小4以下の子は、家事のやり方を学校ではまだ習っていません。 知っているつもりで頼むと、やり方の説明から始まって、結局その場に親がいることになります。
小学校学習指導要領(2017年告示)の家庭科から、家事にあたる作業を数えると7つありました。用具や食器の安全で衛生的な取扱い、ゆでる、いためる、米飯とみそ汁の調理、ボタン付け、洗濯の仕方、住まいの整理・整頓や清掃の仕方です。どれも5年生と6年生の2年間で扱います。
このうち調理にあたる4つは火や包丁を使う場面を含むので、まるごとは留守のあいだに任せられません。ただし、米を研ぐ、食器を洗うといった、火も刃物も出てこない手順だけを切り出せば、留守のあいだの担当にできます。ボタン付け、洗濯、整理・整頓や清掃は、そのまま任せられます。
つまり、5年生以上なら「洗濯物をたたんでしまう」「自分の部屋を片づける」は、手順の説明をとばして任せられる可能性があります。小4以下に同じことを頼むなら、手順を1つに削るという手があります。たたむところまでを頼んで、しまうのは親がやる。研ぐところまでを頼んで、水加減は親が見る。1つに削ると、やり方を教える回数が減り、終わったかどうかも一目で分かります。
話を5年生以上に戻すと、任せる範囲は作業だけでなく「いつやるか」の段取りまで広げられます。学習指導要領の家庭科には「家庭の仕事の計画を考え、工夫すること」が内容として入っていて、解説では整理・整頓や清掃を取り上げ、家族と協力して分担するための計画を立てる例が挙げられています。何時にやるかを子どもに決めてもらって、親は決まった時間を聞くだけにする、という任せかたもあります。
きょうだいがいるなら、学年で線を引いておくと頼むものが自然に分かれます。上の子には手順ごと、下の子には削った1つ。同じことを2人に頼んで、下の子だけ終わらない、という形になりにくくなります。
帰ってから確かめるのは、その日のうちに1回だけ
確かめるのは、帰ってからの1回だけにしておく形があります。玄関で1回、寝る前に1回、と増やすと、子どもから見れば見張られている時間が延びるだけです。1回と決めておけば、子どもはその1回に間に合わせればよくなります。
決めることは多くありません。下のシートは、留守のあいだの担当を決めるときに書きこむものです。項目を思いつくままに並べるのではなく、「何を見るか」と「だれの担当」まで書けるものだけを残します。
見ていない時間のお手伝い 決めごと
| お手伝い | 何を見るか | だれの担当 |
|---|---|---|
- 火と刃物を使うものは、親がいる時間の担当に分けた
- 小4以下の担当は、手順を1つに削った
- 確かめるのは1日1回、( 時ごろ)と決めた
見て、やっていなかった日もあります。そこで理由を聞くと、確かめる時間が説教の時間に変わります。やっていなかった日は「明日ね」で閉じる、という回しかたもあります。同じ項目で何日も続くようなら、子どものやる気ではなく、その項目が難しすぎるか、頼む時間が合っていないことのほうが多いです。
そのうえで残るのが、認めたことをどう残すかです。その場にいれば「ありがとう」で済むところが、留守のあいだのぶんは、帰ってからまとめて渡すことになります。ゴホウビーストは、おうちの方が「できたね」を押すとコインがたまる形なので、押すのは帰ってからで構いません。たまったコインで、子どもは自分でビーストを引きます。押した時刻ではなく、押されたことが残ります。
紙で回すなら、カレンダーの端に、終わった日だけ印をつけていく形でも同じです。大事なのは、その日のうちに一度、終わったことが親に届くという形が決まっていることのほうです。
お手伝いの数は、あとからいくらでも増やせます。決めるのを1つに絞っても、それが「帰ってきたら何を見るか」まで決まっているなら、明日の夕方はもう回りはじめます。
この記事のまとめ
共働きでお手伝いを頼むとき、最初に決めるのは何ですか
お手伝いの項目ではなく、帰ってから何を見れば終わったと分かるかです。やっている時間に親が家にいないので、確かめかたが決まらないと毎晩聞くことになります。
親が見ていない時間に任せるお手伝いは、どう選びますか
終わったことが物として残るか、火と刃物を使わないか。この2つで候補をしぼって、その子がもう習っているかどうかで、手順ごと頼むか、削って頼むかを決めます。
何年生からなら、やり方を説明せずに頼めますか
家庭科が始まるのは5年生です。学習指導要領(2017年告示)から数えると、調理の基礎・ボタン付け・洗濯・整理整頓と清掃など7つを5・6年で扱います。このうち調理は火や包丁を使う場面を含むので、留守のあいだはボタン付け・洗濯・片づけが中心になります。米を研ぐ、食器を洗うなど、火も刃物も出てこない手順だけを切り出して頼む形もあります。小4以下に頼むなら、手順を1つに削ると教える回数が減ります。
終わったかどうかを確かめるのは1日に何回ですか
帰ってからの1回に決めておく形があります。回数を増やすと、子どもから見て見張られる時間が延びるだけになります。